緩和ケアにおける看護師の存在

新しい医療のあり方、緩和ケア!看護師が重要な役割を果たします

病気になるのは病気の種類や症状などによって程度の差こそあれ、基本的には苦しいことです。それまで普通にできていたことが自分ひとりの力ではできなくなったり、病気が治らなかったために日常生活に戻れなくなるようなこともあります。死に至る場合もあります。そのような生命を脅かす病気に直面したとき、私たちに一体なにができるのでしょうか。

緩和ケア、という言葉をご存知でしょうか。病気による苦痛を予防し、また和らげることを目的とした治療のことです。ここでいう苦痛とは肉体的なものに限らず、精神的な苦痛も含まれます。特に、ガンなどの生命に関わる重病に関しては、患者本人だけでなくその家族に対しても社会的な問題やスピリチュアルな面にも対処する必要がありますよね。

緩和ケアの基本的な考え方は、必ずしも病気を治療することだけが最終目標ではなく、患者やその家族のQOL改善を目的として行われるものです。QOLとは、“Quality Of Life”すなわち生活の質、という意味です。例えば、ガン患者さんであれば、完治や延命を目的とした従来の治療では、人工呼吸器などの機材類に繋がれ、たとえ意識がなくとも心臓が動いているかぎりは生きていると判断され、もはや自分の尊厳を主張することもできなくなることが珍しくありません。そこに果たしてQOLがあるといえるでしょうか。緩和ケアでは死を早めたり、引き延ばしたりすることはありません。現在感じている苦痛な症状から解放することで、QOLを高めます。

さて、ではそんな緩和ケアにおいて、看護師はどのような役割を果たしているのでしょうか。日本看護協会によって制定された認定看護師という資格制度があります。認定看護師とは特定の分野に秀でた看護ができる者のことで、認定されるには認定看護師認定審査に合格しなければなりません。緩和ケア認定看護師は、その認定資格のうちのひとつです。そんな看護師の役割は、患者一人ひとりに寄り添うことでその人らしさを知り、患者自身の希望をしっかりと把握することです。余生をどんな風に生きたいのか、終わりはどのように迎えるのかなど、患者の目線に立って望んだ医療を提供するため医師と協力して治療をしていきます。患者自身だけでなく、家族とも意思疎通を図り、悔いのない人生を全うできるようお手伝いする、それが緩和ケアにおける看護師の大事な役割なのです。